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テスト③★伊藤心太郎「恋するフォーチュンクッキー」(2013年AKB48)

楽曲分析

伊藤心太郎恋するフォーチュンクッキー」(2013年AKB48) 〔カノン系〕


<特異音>
 正:シAm7/G(2):ソラ「シ」ラソミ~(わる「く」ないよ~)
 副:ラG/B(2):ミミソミ「ラ」ソミレ~(フォーチュン「ク」ゥキィ~)
 ラG(2):ミミソミ「ラ」ソミレド~(えがおを「み」せること~)
※特異音はシ。二種類のペンタトニックを使っている(後述)。


<コード>カノン系  
C-G/B-Am-Am7/G-F-Em-F-G

<機能分析>
ミドC(3•1)-ミレG/B(6•5)-ミドAm(5•b3)-ラソAm7/G(1•b7)-  
ミラF(7•3)-レラEm(b7•4)-レラF(6•3)-ミレG(6•5)

<コア分析>
ミド|ラソ|ミド|ラソ|:ミ→ラ→ミ→ラ ミド|レド|レミ|ラソ|:ミ→レ→レ→ラ

<譜割り>
◇◇●ー●●◇●|ー●●◇●ー●ー|◇◇●ー●●◇●|ー●●◇●ー●ー| ●ーーー●●◇●|ーーーー●●◇●|ーー●ー●●◇●|ー●●◇●ー●ー|
◇◇ミードド◇ミ|ーミミ◇ラーソー|◇◇ミードド◇ミ|ーミミ◇ラシラソ| ミーーードド◇レ|ーーーードド◇レ|ーーレーレレ◇ミ|ーミミ◇ラーソー|
基本ビート:「ドッドッドドッド|ードドツダンダン

<解説>
 響きの秘孔をピンポイントで直撃して大ヒット。もう笑いが止まらない。名付けて「モータウン盆踊り」。Soul系のトラックに盆踊りのメロディ。特異音はブルージーな「シb」ではなく,また単純な「ド」でもなく,その中間の「シ♮」を使っているところがミソ。「シb」か「シ♮」か,それとも「ド」か。実力者は正しい選択をした。
 サビ全体のポイントは,「ミ」を中心とした二つのペンタトニック。多くの曲で「ミ」は特異音なのに,ここではいきなりトーナルセンターで使っちゃう(やるナ〜)。
 ポイント①は1〜3小節目まで。メロディ・ラインは,ミミレド(こいする)+ミミソミ「ラ」ソミレ(フォーチュン「ク」ウキイ〜)。「ラ」はマイナー的な響き。ここでウルッと来る。「ラ」のマイナー感と,Gコードドミナント7thが9thの関係で重なって,嫌味のないブルースになっている(ブルーノートなんか要らないのだ)。  スケールは一見してC=Amペンタトニックだけど,トーナルセンターは「ミ」。だから「ミソラドレ」(1b34b6b7)のペンタトニック・スケールが正解。キーの中心はド,スケールの中心はミ。ズレていて浮遊感があるからいい! ここ重要。
 ポイント②。メロディはミミソミラシラソミ(そんなわる「く」ないよ〜)。特異音は4小節目の「シ」。一瞬だけEmペンタトニックに変わる(ミソラシ:1b345)。この「シ」は決して思いつきではない。「ミ」がトーナル・センターだから,2小節目の「ラ」と4小節目の「シ」の響きの違いが生きてくる(マイナー的「ラ」→メジャー的「シ」)。これが大ヒットの秘訣である。素人は「ド」や「bシ」を特異音に使うだろう。しかし大ヒットの正解は「シ♮」だった。これは日本の大衆的な響きなのかもしれない(「ずいずいずっころばし」。山下邦彦が述べた「bから#」へのブルース)。

教訓:メロディの文法を駆使して,メジャー的響きとマイナー的響きをハイブリッドさせろ!